察知力(サッカー日本代表ワールドカップ最終予選バーレーン戦を観て)
September 9, 2008
何ヶ月か前に『察知力』という本を読んだ。
サッカー日本代表の中村俊輔選手の本だ。
その本の中に、次のような言葉がある。
「プロセス」を構築していく作業が重要であり、それを軽んじたまま目標を達成したとしても、それはドロの土台に家を建てるようなもの。ちょっとした衝撃で簡単に崩れてしまいかねない。
ワールドカップ最終予選バーレーン戦で日本は3点リードとしながら終盤立て続けに2点を奪われた。
どちらもディフェンスのミスによるものだった。
バーレーンは大味な攻撃をするチームなので、なにかの拍子にチャンスを作ることができる。
日本はそういうことが少ない。攻撃が続いているときに点をとる。そしてあれよあれよという間に失点する。
これまでに何度と観てきた光景。
守りにくそうな感じには見えなかった。
それでも2失点してしまうのだから、サッカーは面白い。
中村俊輔選手は試合後のインタビューで、いい課題が見えた、と口にした。
ディフェンスはまさしく家の土台部分。
土台のもろさが露呈した試合だった。
でもそれは個々のディフェンス能力の問題ではなく、チームとしてのディフェンス能力の問題だった。つまり、コミュニケーションの問題である。
北京オリンピックの女子陸上リレーでジャマイカがバトンの受け渡しミスで破れたのは記憶に新しい。
結局のところ、組織のもっとも重要な土台となるのは「コミュニケーション」にほかならない。そう改めて感じた試合だった。
フリーキックは、僕の趣味であり、特技という感じ。(『察知力』より引用)
バーレーン戦に決まったフリーキックは、僕の予想と違って低くてスピードのあるシュートだった。
あのゴールを見て、中村選手は進化しつづけているのだと思った。
『察知力』では次のように語る。
僕は悔しさを味わいたくて、日本を出たのだ。
ただ環境を変えるだけでは、ダメだと思う。
「未来の自分」「なりたい自分」を想定し、そのために環境を選ぶこと。(中略)なぜなら、環境を変えることが、現状からの逃避で終わってしまうこともあるから。
中村選手が、今どんな「未来の自分」を想定しているのか気になった。
試合後のインタビューを聞いていると、日本代表のなかで経験豊かなリーダーとして、チームをひっぱっていく。
そんな使命感に追われているような気がする。
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