『iPhone 衝撃のビジネスモデル』を読んで
October 3, 2007
Webの世界では無料が当たり前になってきているので、Web2.0(死語)の技術やサービスそのものが利益を生むのではなく、結局は広告が利益を生む。
となると、この本にもあるようにWebの世界での勝者の条件は次のようになる(以下1、2は引用)。
1.先行者でオールマイティーなニーズに対応できる大資本を持つ組織
2.自社でしか用意できないスーパーニッチを保有している組織
よって、個人や新興勢力が既存勢力(グーグル、アマゾン)に勝つことはできない。せいぜい勢力にぶらさがって自らがロングテールの一員となることで、おこぼれに預かるレベルだ。
そうしたWebというかPCの世界に対して、モバイル(携帯電話)の世界では、サービスに課金することが受け入れられる土壌がある、というのがこの本のポイントの一つ。つまり、個人、新興勢力にもまだチャンスあり。
携帯電話のメリット
1.課金システムが定着している
2.持ち運べる
3.カメラ機能
4.サービスポイント(利用できるエリア)が多い
5.電話番号というIDに相当するものを持っている
6.あと個人的には、マイクを使うのが自然(PCでマイクを使うのは一般的じゃない)
ユビキタス社会、『時や場所を選ばずコンピュータを利用する(引用)』ことが可能な社会で、中心となるのは、上記のメリット2、4などにより、携帯電話となる。
家電の高性能化や、いろんなサービスを使うことにより、ユーザーインタフェースを集約させる必要がある。その時、上記メリットの5が重要になる。
特にサービスにおいては、ユーザーID、パスワードを求められるものがほとんどで、ユーザーがいくつもIDとパスワードを管理するはめになる。それを携帯電話の番号を使えば解決するのではないかと本では述べている。
まあ、そんなことをまとめると、携帯電話が優れたリモコンとして機能できるってことになる。
PCと比べた時の携帯電話の弱点は、画面が小さい、ボタンが限られるなど、ユーザーインタフェースに関係する点がいくつか挙げられる。
で、それをある程度カバーできるのが、iPhoneなんだって話。
iPhoneとは(以下1〜3引用)
1.全面タッチパネル式液晶のiPod
2.携帯電話機
3.革新的なインターネット・コミュニケーション・サービス
特にインタフェース部分は画期的で、ボタンが固定位置にあるわけではなく、画面に表示されるということは、動的にメニューが変わるWebページのようにあらゆる操作にも対応できる。
そうすると、携帯電話が携帯電話でなくなる(いい意味で)。
思いつきだけど、子供用、大人用、老人用でメニューを変えたいとかボタンの大きさを変えたい時、普通の携帯電話だと専用の機種買ってよ、ということになるけれど、iPhoneだったら設定を反映して画面上のボタンを例えば老人用に大きくするとか全然可能。
おじいちゃんと孫がiPhoneで連絡取り合うなんて社会に。
あと、本に『日常生活において何か探すとき、それを言語化している人がどれだけいるだろうか。(中略)花瓶を写真に撮って検索システムに送信すれば、その花瓶に関連する情報が示されるくらいのサービスはあってもいい(引用)』とあるけれど、それとは別に、わざわざキーボードで言葉を検索フィールドに入力するのではなく、携帯電話のメリット6のマイクが一般的ってのを利用すれば、声による検索に一歩近づくかも。
いろいろ思いつきそうなので、示唆に富んだ本でした。
本題とはずれるけど面白いと思ったのは、ベータ版を出し続けるマイクロソフトや、暗にグーグルなどを指して、『IT分野で覇権を握る企業がその成長過程において時折リリースする低完成度の製品は、日本企業の倫理と美意識にそぐわないのだ。それが日本企業の誠実さでもあり、限界でもある(引用)』という文。
ほんと日本人まじめだよね。サービスの登場サイクルがとっても早いので、鈍感力もそうだけど、いい加減力が必要な気がする。さきにベータ版出したもん勝ちみたいなところがあるから。
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